秋の七草の一つで、マメ科の多年草。
葛の根からできる葛粉は、でんぷんの中では高級品。
体を温めたり、鎮痛作用があると言われています。
今では東京の『くず餅』も好んで食べるようになりましたが、
やっぱり、私にとって“本葛”で作られた『くず餅』は特別な食べ物なのです。
ある日、私は熱を出して、学校を休んでいました。
その日は父が体調があまり良くなかったこともあり、
父も仕事を休んで、一緒に寝ていてくれていました。
全く食欲のない私のために普段あまり料理をしない父が作ってくれた食べ物が、
片栗粉を水で溶いて温めたもの。
ほんのり砂糖で甘みをつけた「それ」は、
市販されている“葛”餅よりも水分が多く、不格好なものでしたが、
母が作って置いてくれたお粥はほとんど食べられなくて、
全く食欲がなかったのに、「それ」お椀一杯を食べてしまいました。
今でも忘れられなくて、機会を見つけては自分でも作ってみるのですが、
あのときの味にはなりません。
ちなみに、後日再度父に作ってもらった味はもう、
あの味ではありませんでした。う〜ん、残念!
幻になってしまいました。
“葛”餅はインターネット上にもたくさんレシピが紹介されていますが、
比較的簡単に作ることができます。
[材料]
葛粉(なければ、ジャガイモから作られた片栗粉でも)と砂糖と水。
1. 最初に葛粉と砂糖を水に完全に溶かしてから、火にかける。
2. 透明になるまでよく練る。
3. 火から下ろしたら、鍋ごと氷水で冷やす。
4. 冷めたら、食べやすい大きさにちぎって出来上がり。
きな粉や黒蜜などをお好みでかけたり、果物などと一緒に食べるのもお勧めです。
こんな葛粉を使ったら、おいしいのでしょうねぇ。
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